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花咲かじいさんの謎

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先日、芦川で「山桜染め」をしたときに、
余っていた山桜の小枝と、炭焼き小屋の灰をいただいてきました。
芦川で染めたときは、焼きみょうばん(つまりアルミニウム)で媒染したところ、
こんな色に染まりました。
今度は、炭焼き小屋の灰で媒染してみたらどんな色になるだろう?
ということで、山桜を3日間ぐらい火にかけたり冷ましたりを繰り返しながら煮出してみました。

最初の染液で染めたのが、写真の上の毛糸で、
その残液で染めたのが、下の方です。
色が微妙~に違うのが、この写真でわかるでしょうか。。。
肉眼で見ると、如実に違うのですが、上のほうがベージュが強い感じで、
下のほうが、より柔らかいピンクがかった亜麻色?な感じです。
残液のほうが深い色に染まって、
しかも、光に透かすと、ちょっと桜色の気配もするのです。
これ、追求すると、桜色に染められそうな気がします。
ちょっとやってみたくなってしまう。
桜って、咲いただけでみんな嬉しくなって、お花見もしちゃうし、
なんでこんなに魅力的なんでしょうね。

とにかく、どちらの色も、みょうばん媒染とはぜんぜん違う色になって面白い。
炭を焼いたときに出る灰で、こんなふうに媒染できるなんて!
化学的に考えると、木の中のアルカリ成分が
灰に凝縮されているってことなのかなと思いますが、
同じ土地に育ったものを使って、ものづくりをすることにも、何か意味があると思います。

ところで、この色を見ていて、「花咲かじいさん」の昔話を思い出しました。
かわいがっていた犬が死んで、そのお墓に桜の木を植えて育てて、
夢のお告げにしたがってその木を切り倒して臼を作り、
その臼を燃やした灰を桜の枯れ木に撒いたら、花が満開になったという。

当世ガーデニング的に考えると、灰を肥料にするといいよってことかなと思いますが、
もしかしたら、灰を媒染に使うと、いい色が出るよ、という暗喩なのかもしれない。
……などと考えてしまいました。
とにかく、自然が持つ力に、人の手をちょっとだけ加えると、
思わぬことが起きるものだなあと思います。


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500年後につなげる

20120420-1.jpg

芦川を訪れた翌日は、山梨市にあるうちの菩提寺へ、
植樹のお手伝いに行きました。
山の上に朝9時集合!です。
ここはほんとうにいいところで、お寺の山門から、富士山が見晴らせます。
今年はちょうど桜が咲いていて、近所(といってもふもと)の人たちが
たくさん写真を撮りにきていました。

なんで植樹するのかというと、最近よく聞く話ですが、
ここのお寺が持っている広大な土地の森林が荒れてしまって、
ご住職と、県がタッグを組んで立ち上がったのです。
その話は前にも書いたので、ここでは省かせていただきます。
ご住職の呼びかけに応じて、参加者総勢80数人が集まりました。
うちみたいな檀家の、総代の方や、信徒さんや、地元住民の方や、
あとは県庁の役人、山梨市長、議員、森林組合の人まで、
なんだかすごかったです。
でも、公の形式ばった「植樹祭」じゃなくて、
もともとお寺の私有地に植林する活動なので、
「やるぞーー、えいえいおー!」みたいな、楽しげな雰囲気でした。

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お寺の前を出発して、植林する目的地まで、片道20分ほど山道を歩きました。
その途中、ほんとうにこうして木がたくさん倒れているのです。
だいたいアカマツで、マツクイムシにやられています。
今までずっとほったらかしで、木がのびほうだいになって、
結局は虫や病気にやられてしまう。
山は、「自然」のままにしておけばいいというもんではなくて、
ある程度人の手を入れないといけないんだなあと、ほんとに実感しました。

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今日植林する場所です。これ全部じゃなくて、
今立っているところだけなので、ほんの一画です。
ほとんどの場所は、森林組合や業者さんがやってくれます。
写真の、木がなくなっている場所は、木が枯れてしまったところです。
ほんの20~30年ぐらいで、こんなにダメになってしまうんですね。。
みんなでちょっとずつ手をかけていれば、ここまで大変なことにならなかったのに。
ご住職がなぜ県に呼びかけて立ち上がったのか、
この光景を見てよくわかりました。
これをこのまま、後の世代に残していくわけにはいかないですよね。

そうは言っても、こんなに広い土地を、お寺の力だけでやるのは無理。
まず山道を切り開くことから始まって、このように「棚」状に整地するのも、
全部県がやってくれたそうです。
私有地に役所が入ってやってくれるなんて、ふつうなら不可能だけれど、
神さま……じゃなくて、仏さまはやっぱりいるのですよ。

で、役所や組合の人が、植え方の説明をしてくれて、
一人ひとり、ヒノキの苗木を数本ずつもらって、鍬やスコップ(シャベル?)で植えていきました。
(それに必死だったので、作業中の写真を撮るのを忘れた。。。)
最終的には、ヒノキだけではなくて、いろんな種類の木を混生させるそうです。

それにしても、植林というのは初めての体験でしたが、
山の斜面を歩いたり、足を踏ん張ったりして作業するのが、
体のバランスが取りにくくて難しかったです。
森林組合のおじさんたちは、ひょいひょい動き回っているので、
さすがだなあと思いました。

20120420-4.jpg

みんなヤル気まんまんだったせいか、作業はあっというまに終わりました。
お弁当をもらって、お昼前には解散。
ご住職ご夫妻に「まあゆっくりしていきなさい」と言われて、
またいろいろお話をうかがうことができました。
ご住職によると、今日植えた木は、数年もすれば人の背丈ぐらいには伸びるそうです。
そんなに早く育つんだ!と思って、少し安心しました。
でも、ということは、それだけ手入れをしっかりしていかないといけないわけで。
私たちの責任は重いなあ~~。
しかも、ご住職の構想は数十年単位ではなく、
「500年後のことを考えなくちゃね」とおっしゃっていました。どひゃ~。
「その間に戦争があるかもしれないし、また天変地異もあるかもしれないけどね」と。
宗教家というのは、思考の尺度が違うというか、すごいなあ。
ここのご住職は、私が尊敬する大人のおひとりです。

長くなりましたが、おつきあいいただきありがとうございました。


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桜の色は桜色にあらず

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週末、また山梨を訪れました。
土曜日は、去年からお世話になっている芦川へ。
ほんとうはじゃがいもの植え付けを教えてもらう予定でしたが、
雨のため、やむなく中止。

そのかわり、前日に山桜の剪定をしたということで、
その小枝を使って染色することになりました♪
以前、となりの家の桜の木の葉っぱで染めたことはありましたが、
ほんとの山桜では初めてなので、すごい楽しみでした。

私は、媒染に焼きみょうばん(アルミ)しか使ったことがなく、
今回もみょうばんを使ってみたところ、
このように美しい黄金色に染まりました!!
右側が手持ちのウール原毛、左側がコットンのストールです。
動物性の素材の方が、たんぱく質があるので色がよく入ります。

桜の小枝を煮出している間、
和菓子屋さんのようなおいしそうな匂いがたちこめていました。
枝打ちをして落とした枝でも、まだ生きているなあという感じがしました。
煮れば煮るほど、よく色が出てきました。
残りの小枝も、「家でも染めてください」といっぱいいただいて帰ってきました。

私のようなシロウト染色人だと、媒染に使うのは、
アルミとか銅とか鉄だ、と思いこんでいるのですが、
芦川の方のお話によると、炭焼き小屋の灰でも媒染できるそうです。
なので、灰もいただいてきました。どんな色になるか、試してみます。
ここに来ると、学校でも本でも教えてもらえないことを、
いつもいろいろと学べます。

それとこの日、初めてカエルを食べました。
最初はちょっとどきどきでしたが、
でも、今のように肉が簡単に手に入らなかった時代は、
山深いところではカエルとかうさぎさんとかが貴重なたんぱく源だったのだし、
海辺に暮らす人が魚を捕るのと同じことだな~と思いました。
ついさっきまで、生きて動いていた命を食するというのも、
初めての体験でした。
たいへんおいしかったです。

翌日は、山梨市内の山寺へ。
次回につづきます。


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わかめが届いた

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南三陸から、わかめが届きました。
どういうわかめかというと、去年、被災した中小企業や漁師さんたちを支援する
マイクロファンドに出資したのでした。
出資といったって、ほんの少額ですよ。「カンパ」というぐらいの。
でも、再建して利益が出れば、いちおう出資者に還元されて、特典も付く仕組みになっている。

私はわかめの養殖業者さんにカンパしていたのですが、
「出資者特典」として、今年初めて採れたわかめ100gを送ってくれたのです。
特典というよりも、「元気でがんばってます」というおたよりですよね。
こんなに早く再建できるなんて、すごい。
ほんとうに頭が下がります。
でも、この会社はたぶんとても恵まれているほうなんだろうなとも思う。

そもそも私は、家を流されたり、故郷に戻れなくなってしまったり、
大切な人の行方がわからなくなったりした経験がないので、
それがどういうことなのか、想像を絶する。
だからそういう人の状況や気持ちをわかることはできないと思う。

このカンパのお金も、そんな大したことではない。
別に金額の問題じゃない。
でも、もし仮に、この立ち上がろうとしているわかめ業者さんの背中を、
100分の1ミリぐらい後押しできたのかなあと思うと、
私のほうがあたたかい気持ちになるのです。


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わたしの髪結いさん

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いつもの美容師さんに髪を切ってもらったら、
「実は、退職することになりまして。。。」とのたまわる。
郷里の静岡に帰るんです、と神妙な面持ちで。
そうかあ、なるほどね、と妙に得心した私。
これから大きな変化を迎えようとしている人って、なぜか、
どこか心ここにあらずというか、元気がなさげというか、見えないバリアーが張られている。
ここしばらく彼女も、いつもより口数が少ない気がして、
「さなぎ」状態のように見えたのでした。

思えば数年にわたって、私のくせ毛に根気強くつきあってくれたなあと思います。
とっさに「帰ってどうするの?」と聞けない(聞くつもりがない)のが私の性分で、
もしかしてあんまり聞かれたくないかもしれないし、
彼女自身の人生だから私が立ち入ることではない。

だから、彼女がどんな考えなのか、
長年かけて培ってきた技術をこれからも役立てるのか(つまり美容師さんを続けるのか)、
まったく別のお仕事を始めるのか、
いずれにせよ、どちらでもいいんだと思います。

と言うといいかげんな気もするけど、
その人がその人である以上、どんな道を選んでも、
歩きつづけてさえいれば、必ずその人らしい道を歩めるものだと思う。
道はちゃんと拓ける。

……などというおせっかいを言うかわりに、
次回がたぶん最後になるから、何かお祝いを考えないとなあ。


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どこかに到着

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こんな本を読みました。とっても不思議な本です。
全編セピア色の鉛筆のようなタッチで描かれていて、台詞はいっさいなし。
サイレント映画のようにストーリーが進んでいきます。

主人公の男性は、不穏な空気がたちこめる国に家族を残したままひとり旅立ち(出稼ぎ?)、
奇妙な乗り物にのって、文字もことばも意味不明な、へんてこな生きものまでいる国に到着。
右も左もわからないまま、仕事を探したり、食べるものを探したりしながら
暮らしはじめる。

この、どこにもありえない世界、この世ではない世界みたいな感じ、
いつか夢に見たことがあるような気がしなくもない。
たどり着いた世界で主人公はすごく孤独なんだけど、なぜかひとりぼっちではない。
必ず助けてくれる人がいて、まがりなりにもなんとかやっていく。

ほんとに困ったときって、なぜかどこかに最後のドアみたいなものが
開いているのが見つかるのよね。
そのドアを抜けると、次のどこかに到着するのです。
そこからまた何かが始まるのだ。


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コルコバードのキリスト像に見守られ?

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西荻のコポ・ド・ジアで、おなじみときわさん&にいみさんの音楽会を聴いてきましたよ。
前回から、もう3か月なんだなあ。。。早い。

ちょうど震災から1年という節目の時期でもあり、
感慨深いものがありました。
歌い手さんも、奏者さんも、そうなんだと思いますが、
やっぱり、同じ曲でも1年以上前と違って聞こえます。

それにしても、最近またテレビやラジオでは、
あの大変な映像を繰り返し流しているので、
そのたびにスイッチを切るかチャンネルを変えてしまう。
東京にいる私だってつらい気持ちになるのに、
今もたいへんな状況の人たちはどんな思いがするだろう。
騒がないで、黙って支援するなり思いを寄せるなりできないんだろうか。

肝心のライブでは、海の歌がたくさん聞けました。
とくに私の大好きな、ときわさんが歌う「アルフォンシーナと海」は、
やはりぐっときてしまいます。
前にもこの場でおススメした気がしますが、
みなさんも聴いてくださいね~。




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